ツーバイフォー工法とは?在来工法との違いやメリット・デメリットを解説
ツーバイフォー工法とは?在来工法との違いやメリット・デメリットを解説
マイホームを検討するとき「ツーバイフォー工法」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
地震が多い日本では、家の構造による安心感が暮らしの質に直結します。とくにお子さまやペットと暮らすご家庭では、耐震性に加えて、日々の住み心地や将来のリフォームがしやすいかどうかも大切です。
そこで本記事では、ツーバイフォー工法の仕組みと在来工法との違い、そしてメリットとデメリットをわかりやすく解説します。家づくりの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
ツーバイフォー工法(2×4工法)とは?
ツーバイフォー工法は、北米で生まれた木造住宅の建築工法です。正式には「木造枠組壁工法」 と呼ばれています。大きな特徴は、柱や梁で支えるのではなく、壁や床、天井などの「面」で建物を支える点にあります。たとえば、紙一枚は曲がりやすいのに、箱の形にすると強くなるのと同じ原理です。床、壁、天井、屋根の6つの面が一体となることで、外から加わる力を建物全体に分散させられます。
ツーバイフォー工法は、この原理を住宅に応用したものです。床、壁、天井、屋根の6つの面で構成された箱型構造により、外部からの力を建物全体で受け止め分散させます。
「ツーバイフォー」という名前は、使う木材の基本寸法が2インチ×4インチであることに由来します。必要な強度に応じて2×6材や2×10材なども使われます。これらの木材は日本農林規格(JAS)によって品質が管理されており、均一で安定した仕上がりが期待できます。
ツーバイフォー工法の歴史は古く、19世紀 の北米西部開拓時代に、熟練職人の不足を背景に開発されました。現在ではアメリカとカナダの木造住宅の約9割がこの工法で建てられており、世界各国に普及しています。
出典:E-GOV「建築基準法施行令第80条2項」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338#Mp-Ch_3-Se_7_2-At_80_2)
在来工法(木造軸組工法)との違い
ツーバイフォー工法と比較される代表的な工法に、日本の伝統的な「木造軸組工法(在来工法)」があります。最大の違いは、建物を支える構造の考え方です。在来工法は、柱や梁を組み、筋交いを入れて骨組みを作ります。つまり「線」で支える構造です。一方、ツーバイフォー工法は壁や床といった「面」で全体を支えます。
在来工法のよさは、設計の自由度が高いことです。柱と梁の配置を調整することで、大きな吹き抜けや広いリビングなど、開放感のある空間を作りやすくなります。ただし施工が複雑なため、仕上がりが職人の技量に左右されやすい点には注意が必要です。
近年は在来工法でも耐震性が向上しており、どちらが優れているかを一概に断定することはできません。工法の特徴を理解し、希望する住まいの形や暮らし方に合わせて選ぶことが重要です。
ツーバイシックス工法(2×6工法)との違い
ツーバイシックス工法は、建築基準法上ツーバイフォー工法と同じ「枠組壁工法」に分類されます。基本的な構造原理は同じ面構造で、使用する木材のサイズが異なるだけです。ツーバイシックス材(約38ミリメートル×140ミリメートル)は、ツーバイフォー材より厚みがあります。この厚みにより、上からの荷重に耐える強度が向上し、壁内部の断熱材も増やせるため断熱性能と省エネ性能が高まります。
こうした特徴から、ゼロエネルギー住宅(ZEH)を建てる際には外壁にツーバイシックス材を使用するケースが主流です。ただし、材料費と断熱材の使用量が増えるため、構造体の建築コストは若干高くなります。
ツーバイフォー工法のメリット8つ
ツーバイフォー工法には、安全性と快適性の両面で多くのメリットがあります。耐震性・耐風性が高い
ツーバイフォー工法の最大のメリットは優れた耐震性です。6面体の箱型構造により、地震による揺れを建物全体で受け止め荷重を分散させます。2011年の東日本大震災では、日本ツーバイフォー建築協会の調査により、調査対象となったツーバイフォー住宅のうち98 %以上が「被害なし及び多少の被害」という結果でした。地震による建物変形を要因とした全壊はゼロ、半壊はわずか2件でした。
台風や強風に対しても高い耐性を発揮します。壁と床が一体化した箱型構造は横からの風圧にも強く、専用金具で接合部を補強することでさらに安全性が高まります。
出典:社団法人日本ツーバイフォー建築協会「東日本大震災調査報告会 会員アンケート調査概要」(https://www.2x4assoc.or.jp/act/chosa/file/110804_4.pdf)
耐火性が高い
ツーバイフォー工法は、火に強い構造を持っています。ポイントは「ファイヤーストップ構造」と呼ばれる仕組みで、壁や床の枠組材が内部の空気の流れを遮断し、火が広がる速度を遅らせます。さらに、各部屋の壁や天井には厚さ12.5 ミリメートル以上の石膏ボードが貼られています。石膏ボードには約21%の結晶水が含まれており、炎があたると約20分間 水蒸気を発生させ、周囲の温度上昇を抑える役割があります。
これらの仕組みにより、構造材が着火温度(約260度 )に達するまでの時間を引き延ばせます。
省エネルギー性が高い
ツーバイフォー工法の住宅は高気密・高断熱な構造により、優れた省エネルギー性を実現します。6面体構造は隙間が少なく気密性が高いのが特徴です。外壁は木材の枠組みに構造用面材、石膏ボード、断熱材、外壁材と多重構造になっており、外気温の影響を受けにくくなっています。
天井と床にも断熱材を施し、建物全体を断熱材で包み込むことで、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を保てます。冷暖房の効率が良いため光熱費を削減でき、室内の温度差が小さくなることでヒートショックのリスクも軽減されます。
遮音性が高い
ツーバイフォー工法の住宅は、気密性が高く、壁が多重構造になっているため、外からの騒音を抑えやすく、室内の音も外に漏れにくい特性があります。幹線道路や線路の近くといった騒音が気になる場所でも、落ち着いた環境をつくりやすい点が魅力です。ただし、気密性が高い分、室内で音が反響しやすくなる場合があります。吸音材を使うほか、寝室の上に収納を設けるなど間取りを工夫すると、より快適に暮らせます。
こちらの記事では、ペットと暮らす家づくりについて解説しています。
設計や間取りのアイデアも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
耐久性が高い
ツーバイフォー工法の住宅は、適切に手入れをすれば長く快適に住み続けられます。使用する構造材は、含水率19 %以下の乾燥材(JAS基準)で、反りや割れが生じにくい点が特徴です。また、床下には防蟻剤や防湿シートを施し、土台や床組にも防腐・防蟻処理を行います。こうした複数の対策により、湿気やシロアリから建物を守り、住まいの耐久性を高めています。
屋根裏を有効活用できる
ツーバイフォー工法は屋根裏の構造がシンプルなため、小屋裏空間を活かしやすい点が特徴です。屋根の傾きを利用して天井を高くしたり、小屋裏を収納として使うなど、限られた空間を効率よく活用できます。工期が比較的短い
ツーバイフォー工法は、ほかの工法と比べて工期が短い傾向にあります。規格化された材料を使用し施工がシステム化されているため、効率的に作業を進められます。一般的な工期の目安は100〜120日程度です。在来工法が120〜140日程度かかるのと比べると約20日短縮できます。工期が短いことで建築中の仮住まい費用や人件費を抑えられます。
品質が安定している
ツーバイフォー工法では使用する角材の規格が統一されており、釘の大きさや打ち込む間隔まで細かく決められています。マニュアル化が進んでいるため、職人の技術に左右されず一定以上の品質を確保できます。建てて後悔?ツーバイフォー工法のデメリットと対策
メリットの多いツーバイフォー工法ですが、デメリットもあります。適切な対策を講じることで多くの問題は解決できます。外観や間取りの自由度が低い
ツーバイフォー工法は壁で建物を支えるため、耐力壁を一定の間隔で配置する必要があります。そのため、柱と梁で支える在来工法と比べると、間取りや外観の自由度がやや低くなることがあります。ただし、設計の工夫によって柔軟性を持たせることは可能です。たとえば、大きな空間をつくり、内部の仕切りを可動式にする方法や、補強梁を使って耐力壁の位置を調整する方法があります。
ツーバイフォー工法に詳しい設計士に相談することで、技術基準の範囲内で希望に近い間取りを実現しやすくなります。
開口部を大きく取れない
ツーバイフォー工法は壁で建物を支えるため、大きな窓や開口部を設けると強度が下がりやすく、サイズに制限が生じます。窓の上には「まぐさ」と呼ばれる補強材を入れる必要があり、在来工法に比べると自由度は低くなります。ただし、一般的な窓サイズであれば問題なく設置できます。また、複数の窓を効果的に配置したり、屋根の傾斜を活かした高窓や吹き抜けを設けることで、明るさや開放感を確保することは十分可能です。
構造体のコスト削減ができない
ツーバイフォー工法では構造体に使用できる部材がJASまたはJIS基準をクリアしたものに限定されており、構造体のコストは削減できません。これは裏を返せば、どんな価格帯の住宅であっても耐震性や耐火性、耐久性といった基本性能が確保されているということです。コストを調整したい場合は、内装材や設備機器のグレード、外壁材の種類などで検討しましょう。
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ツーバイフォー工法住宅のメンテナンスとリフォームのポイント
長く快適に住み続けるには、適切なメンテナンスとリフォーム計画が欠かせません。基本的なメンテナンスは在来工法と同じ
住宅設備や内外装については、築15〜20年 を目安に必要に応じたメンテナンスを行います。構造体のメンテナンスでは、湿気による木材の腐食やシロアリ被害に注意が必要です。5〜10年 に1度は専門業者による防蟻処理を行うことをおすすめします。床下の換気を良好に保つことも重要です。
保証期間も要チェック
大手ハウスメーカーの保証期間は最長60年 です。初期保証の期間、延長保証の条件、保証対象範囲を契約前に確認しましょう。kizukuri屋では2年、5年、10年の定期巡回点検を実施しており、建てた後も長く安心して暮らせるサポート体制を整えています。技術基準の範囲内でならリフォーム・リノベーション可能
「ツーバイフォー工法はリフォームができない」という誤解がありますが、技術基準の範囲内であれば間取りの変更や増築などのリフォームは可能です。耐力壁を取り払うことはできませんが、耐力壁ではない間仕切り壁であれば撤去や移動ができます。重要なのはツーバイフォー工法に精通した業者に依頼することです。自社設計・自社大工による一貫体制の会社なら、建物の構造を完全に理解したうえで、施主様に寄り添ったリフォーム計画を立てられます。
まとめ
ツーバイフォー工法は6面体の箱型構造により高い耐震性と安定した品質を実現する優れた工法です。地震や台風の多い日本において家族の安全を守ることができる住まいは何よりも大切です。kizukuri屋では自社設計・自社大工による一貫体制で、ツーバイフォー工法の長所を最大限に活かした家づくりを行っています。自然素材である漆喰「プレミアレーベン」や珪藻土「ヘルシーカラー」を使用することで、調湿効果や消臭効果を高め、ペットのいるご家庭でも快適に暮らせる住環境を実現します。
2年・5年・10年の定期巡回点検により、建てた後も長く安心して暮らせるサポート体制を整えています。 構造を熟知しているからこそ、将来的なリフォームにも柔軟に対応できます。
ツーバイフォー工法で理想の住まいを実現したいとお考えの方は、ぜひkizukuri屋にご相談ください。お客様のライフスタイルに合わせた最適なプランをご提案いたします。
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